5、する、なる、なるようにする

する、なる、なるようにする――「月給二倍論」によせて

【解題】これは私の原稿ではない。文末に書かれているように、昭和34年6月の自民党宏池会機関誌「進路」に、田村昭雄が書いた原稿である。私が国会図書館に出かけて、コピーを取ってきて、バインダーの穴などで見えなかったところを補って、ワープロに起こしてもらったものである。総選挙があったが、みんな願望とか、ならないことばかりで、これでは財政赤字を増やして、若者のスネを齧ることしか思いつかないだろう。(2012.12.21糸乘) 続きを読む «5、する、なる、なるようにする»

6 再開発計画における立場別・問題別・時期別整理法――まちづくり計画とコーディネイトの原点――

[解題]初めて再開発事業を担当することになった時の文章である。密集賃貸住宅が大半で、それにアパート、パチンコ、少数の小売店など約300戸(土地・建物・居住者が重なるので権利件数にすれば約900件)の権利調整の原案を考えねばならなくなって、悩みながらまとめた文章である。権利調整は役所の下請けとしてやったのだが、これは調整案のベースになった考えをまとめてものである。再開発の担当になったのが昭和45年(1970)の暮れ頃からである。権利調整の案がまとまったのは48年暮れ頃で、ついで実施設計にかかった。
49年中頃だったと思うが、再開発の資料雑誌のようなところから依頼されて書いた。この考え方は、その後のあらゆる私の仕事に対するスタンスの原点になった。一口に言うと、「住民本位の計画」とは、単に、住民の声を聞いたらいいというものではない。住民の気持ちは大切にしなければならないが、聞いてばかりいても公平な計画はできない。結果的に誰かが100点で満足するということは、その対極に不満を貯めることになるので、望ましい方法ではないということである。その後一部には手を入れているが、ほとんど変わってはいない。また、この論旨で技術士の試験にも通ったということも、思い出になっている。(2009.09)
1.コーディネーターは何を求められているか
2.再開発事業成立のための三条件
3.コンセンサスづくりの自己診断法
4.総論賛成・各論反対‥‥‥
5.住民の立場による意見の相違
6.コンセンサスの時期をいつにおくか
7.現在と計画時点とのズレ
8.過去のあと取りと将来の先取り
9.大きい声と小さい声
10.目標は「総論賛成・各論やむをえない」
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