11、社会システム・構造におけるオチコボレの立ち位置

社会システム・構造におけるオチコボレの立ち位置          080819

〇レギュラーの意味 
・既存の社会システムに合わせて生きる
・レギュラー社会の仕組み
 みんなで力を合わせて、決まったことを仕上げること
・あまり変ったことをせずに、前例を重んじる
・序列を大切にする
・攻めより守りが大切
・上司の考えを実現する →それが美徳
 上司に異論・対案を出すと気分を害する

〇企業における宮仕えとは
・一神教である 宗教的でもある
 そうすれば必ずご利益があるという仕組み
 ご利益が保証されないと、宮仕えはしない
・集団の仕組みに反すると、外される

〇社章 レギュラーの認定証

〇レギュラーの定員減
・ものつくりシステムの定員が、低賃金の外国へ移る

〇集団のパワーが落ちると、ご利益が減るので、レギュラーの数が減らされる
・首切り

〇中小企業は、レギュラーといっても、担保力がない
・つまり宮仕えの意義が落ちる

〇日本のレギュラー定員が最も増えた時期は、1950~90年頃
・この期間はオイルショック時を除いてずっと5~10%程度のプラス成長
・感覚的にいえば、80%以上がレギュラーの恩恵に浴していたかも?
・いずれ、現在の国際的フラット社会化が進めば、レギュラーは10~20%ぐらいに
 なるかも知れない

〇オチコボレは多神教
・工夫をして、自分流の御宮様をたくさん作る
・たくさんの宮仕えをしながら、少しずつ保証を作り食えるようにする
・宮仕えは保険だが、オチコボレも多神教型保険
・一系列の下請けにならず、注文を呉れるクライアントを増やして備える
・零細企業の経営方針とおなじ
・ご利益、自己保障・自己責任システム
・多神教にならざるを得ない

〇人もうけは人脈ではない 系列のような連なりではない
 ワンワンコレスポンディング=1・1対応 多神教
・つまり、1に対応するときに、その相手に自分のもてる魅力の100%を出さねば
 ならん
・自分の「思い」を出せない相手との、コレスポンディングはあきらめる
*50年ぐらい前、数人の会社のマネージャーとして就職した。マネージとは「うま
くやる」ということなので、みんなが「安心して仕事ができるように」と公的保険などにも入った。するとA君が、給料日の三日後に「これはどういう意味ですか」といって失業保険料のところを示した。私は「失業保険に入ったんですよ」と、良いことをした気分で答えた。ところが彼は「われわれみたいな、絶対に失業しない人間まで、なぜ入れたんですか」と文句を言った。私はしばし意味が分からず絶句した。しばらくして、同じ零細企業にいても、国立大学の大学院を出ている人間と、私のようなオチコボレとでは、問題に対する立場が違うのだな、と思った。
ついでにいうと、この4~5年後に彼は退職して失業保険をもらっていた。それは彼が次に会った時、私に笑いかけながらいった。私は一生、失業保険はもらわなかった。
*25年ほど前の経験。
上場企業の役員や部長などが参加する科学技術テーマの交流会で、ある企業に役員をしている一人が私にいった。
「あなたのように勝手気ままに生きていたら、まったく苦労はない。我々はどれだけ宮仕えの苦労をしているか想像つかんでしょう」
「それはすこし意味が違いましてねえ、私には立派な御宮さんが無いので、いろいろたくさんの御宮さんに仕えているんですよ」「まあ、一つとうまくいかん時は、休憩して別の御宮さんの仕事をしたりして、気分を変えるので気が楽な意味はありますね」といったら、相手はキョトンとしていた。
*二部上場企業の友人が、別の友人が一部上場企業の役員に「なる、なった」話をしながら、
「あなた方には分らんでしょうが、一部上場企業の役員といったら、そら大変なものですよ」といった。
つまり、「中小企業の経営をしているあなたとは、社会的な地位に雲泥の差があるのですよ」といいたかったのである。私はそれほど感じなかったが。

〇レギュラー社会の宮仕えはピラミッド型の多層構造、オチコボレはヨコ社会

〇構造の仕組み
・中央官庁――全国区大企業――大手下請け・地方企業――中小下請け企業
・官庁の地方出先――大企業地方支店――中小下請け企業……

〇多数派=レギュラー社会は証明されたことをやる
 上手くいった見本のある仕事をやる
 それをルートで指示された様にやる……間違いを起こさない

〇フラット化社会になると、レギュラー社会でもリスキーな仕事をやる必要が生れ  
 る
 リスキーな部分は、オチコボレに外注する。おかげで、オチコボレは、リスクは
 あっても面白い仕事ができる。

〇“大きいテーマ”に取り組むのは、リスクの少ない、チャレンジをしやすいオチ
 コボレの仕事なんだ。

〇オチコボレは、まだ確定的でない、安全でない、上手くいった見本もないことを
 やるべきだ。

〇オチコボレは自己の思考回路・知的好奇心・面白がり思考に投資をする
 レギュラーは系列・関係・人脈投資をする
 中元・歳暮でも、前者は自分の思いと相手の好みで選ぶが、後者はバランスと世
 間相場できめる。

〇オチコボレは、何者にも依存できないのだ。

〇旧社会へは、もう戻らない
・‘05年夏、私の電話に直接答えて、パソコンのサポートをしてくれたのは、大連
 の30代前半と思しき女性だった。
・ユニクロの製造工場は、他の途上国に行っても、日本には帰ってこない。
・日本人のレギュラー定員は、すでに30~40%ぐらいに減っている。