12、ワールドカップ岡田監督とベンチャービジネス 9807

ちょっと自慢をしたいと思っている。「サッカーの日本代表通」という意味で、威張っているつもりである(サッカー通ではない)。

12年前、ワールドサッカーの本戦初出場を予言して、的中させた。1997年のアジア予選で、成績が悪く監督が途中交代することになり、土壇場で変わり、岡田武史監督になった。評論家やマスコミは、岡田監督に「ガッカリ」というような論調になった。そのとき「このチームはかなりやるだろう」と予言した。以下は12年前のよかネットの引用である。

〈ワールド・カップ・サッカーとベンチャービジネス〉

若の花が連続優勝した時のインタビューで「仕事ですから」という言葉を2、3度発したのが非常に印象に残っている。

サッカーのワールドカップの監督もビジネス(仕事・本務)だと思う。その監督が変わって岡田監督になったとき、これは面白いのかもしれんと思った。こんなことを書くと「オマエみたいなもんにサッカーが分るか」という人がいると思う。正にその通りである。

この文章が皆様方の眼にふれる頃には終わっているのかもしれないが、この原稿を書いている今はまだ、日本は一試合もしていない。しかし「かなりやれる」のではないかと、私は思っている。その理由は、前任監督の時はベンチャービジネスではなかったが、岡田監督になってベンチャーになったと思うからだ。

その岡田監督が、古参の有名選手をメンバーからはずした。「これはいよいよいける」と私は感じた。「彼をはずしたのは失礼だ」などという意見もでたが、それは建前ビジネスの世界である。岡田監督は「格落ち」だと云いたいのだろう。少なくとも前任者と比べるとそうだろう。しかし、これはなかなかよい条件である。

岡田監督は、何もむずかしいことを考えずに態度をきめたのかも知れない。しかしベンチャーをやれる程度の人間は、むずかしいことを考えずに行動できるのである。

監督はベンチャーに走った。彼のメンバー達もベンチャーをやるだろう。日本のサッカーは駆け出しであるから、ベンチャーがいい。勝負はともかく、よい試合になるだろう。

ところで今度は今年のサッカーの話。サッカー通でない岡田監督フアンとしては、ベンチャー精神が弱くなっているのではないかと不安になっている。

一寸、福沢諭吉になぞらえて言うと、ベンチャーは正統になれない異端が行うビジネスである。日本サッカーがベンチャーとして、一泡吹かしてくれないかと期待している。

<岡田武史-Wikipedia> 彼の一大転機は1997年10月フランスW杯最終予選にて代表チームがアジア予選で敗退濃厚の窮地に陥り、加茂周監督が更迭された事から始まる。岡田は「その時点でのチームを把握していること」が重視された結果として、まず代理監督として指名される。最初の1試合を乗り切った彼は監督へと昇格を果たしたものの、当初は急場凌ぎとの見方が大勢を占めていた。しかし加茂によって代表から外されていた中山雅史らをチームに再招集するなどのテコ入れも功を奏し、日本代表は息を吹き返す。最終的にイラン代表との第3代表決定戦の末、予選を突破し土壇場から初の本選出場を果たした(ジョホールバルの歓喜)。この歴史的な結果を受け、本選に向けての正式に監督に任命される。